ストレスと付き合う(1) ~ファンシーラット飼育
1)ファンシーラットに帽子を被せたり、洋服を着せたり、はたまた、チーズや餌などをラットさんが届かない距離にぶら下げて「ほれほれ~」的な“イジワル”をしたりしている写真や動画がSNSにUPされたりしていると、「動物が嫌がっているじゃないか」とか「動物にそんな残酷なことをするなんて信じられない」といったコメントが付されているのをよく見かけます。
2)この点、「そもそも動物飼育は人間本位でペットを狭い空間に閉じ込めているのであって、動物が嫌がることを止めろ!というなら、ペットを飼うこと自体を禁止すべきだ!」なんて反論がされることもありますよね。なるほど~という感じもしますが、このあたりの議論は「ペット論」の深み(!?)にはまりそうなので、ここではまた別の視点で「ファンシーラット飼育におけるラットさんのストレスとの付き合い方」を考えてみたく思います。
3)近年、動物園における動物飼育においては、「餌は“探させる”のがトレンド」と言われています。動物園だけでなく、犬・猫の飼育においても「餌やおやつをわざと取り出しにくい容器に入れる」ための箱状の容器やイボイボのついた皿などが販売されています。
野生動物は1日のほとんどを睡眠と「餌を探すこと」に費やしています。そのため、飼育下にある動物が“探す努力”をせずに餌を与えられてしまうと他にやることがなくなってしまい“退屈状態”が発生してしまいます。人間も退屈になると余計なことが気になってくるように、動物もこの“退屈状態”に入ると人影やら物音やら飼育ケースや檻の狭さやらといったものに目がいくようになって大きなストレスを蓄積していき、最後には脱毛症や自傷行動、病気等につながっていくように思われます。一般的にも、適度なストレスはかえって生物の寿命を長くするといった見解が出てきています。
4)このように、飼育されているペットにとって、一見すると可哀想に見えるようなことでも、長い目で見ると、実はペットのストレスを低減することになっている場合も少なくありません。刺激の少ない環境で飼育されているペットにとって、ある種のストレスはかえって必要なことなのです。
それでは、続きは次回にしましょ~。お楽しみに!
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