爪切り? ~ファンシーラット飼育


※ 比較のために前足(右手)の薬指の爪だけ切ってみました~。


哺乳類飼育一般で、「爪切り」は飼い主を悩ませる要因の一つでしょう。

犬やウサギの爪切りが苦手で獣医さんやショップにお願いする方も多いんじゃないかと思います。


さて、それではファンシーラット飼育においては、「爪切り」は必要なのでしょうか?



答えは、「基本的に不要。スキンシップにおいて引っ掻かれて痛い場合には切ってみるのも1つの手。」という感じになります。



※上下の写真は、ファンシーラットの爪(伸びた先の針状の部分)が自然に折れていた様子です。


これまで多数のファンシーラットを飼育してきた筆者ですが、「爪切りをしなかったために、伸びた爪の中に血管が上ってきてしまい大変なことになった」とか「爪が伸びすぎてラットさんの指先に炎症等が発生した」といった事態に遭遇したことがありませんし、今のところ聞いたこともありません。

おそらく、なんでもガジガジが得意なラットさんですから、自分で噛んで長さを調節しているのかもしれません。

あるいは、ファンシーラットの爪は伸びた先が非常に細くなって針状になるため(それが故に血管が伸びた爪の内部に上がってこないものと思われます)、上の写真のとおり、ある程度伸びてくると簡単に折れたり削れたりして、自然に一定の長さに保たれているのかもしれません。

いずれにせよ、筆者の経験上、ファンシーラットには爪切りは特に必要ないものと思っています。



一方で、上記のとおり、ファンシーラットの伸びた爪は鋭い針状になってるため、肩乗り散歩中にラットさんが飼い主の首筋等にしがみついたり、じゃれ合いスキンシップをしたりしているとき、飼い主の肩や首筋、手や腕等に、細いですがけっこう鋭いキズができてしまうことが少なくありません(出血しちゃうことも(涙))。

そのため、肩乗り散歩のときなどは(糞尿漏れに備える意味でも)飼い主の首にタオルを巻いて出発するといった対策が推奨されるのですが、ラットさんの伸びた爪を切らせてもらうのも1つの対策となります。



※上の写真が爪切り前。下の写真が爪切り後。このように、爪の先っぽの針状(釣り糸状)の部分を軽く切っておくだけで、飼い主の手肌へのダメージはかなり違ってくる印象です。深爪(切りすぎ)は必要ありませんし、危険ですのでやめましょう!


但し、ラットさん(だけでなくペット全般)の爪切りは、そう簡単ではありません。

(犬やウサギと同じように)ファンシーラットの爪の中には血管が通っており、根本まで切りすぎてしますと(深爪すると)出血してしまいますし、神経も通ってますのでラットさんも非常に痛い思いをします!

慣れてこないと「どこまで切っても大丈夫か?」がなかなか分かりづらい上に、ペットが爪切りを嫌がって動いたり暴れたりするもんですから、とにかくペットの爪切りは難しい!

そのため、犬やウサギなどでは獣医さんやショップに爪切りをお願いする飼い主さんが多いのです。

ファンシーラットの場合、上記のとおり、基本的に爪切りは必要ありませんので、ラットさんの出血等のリスクを背負ってまで爪切りをすることは(ペットの爪切りに慣れていないとか、細かい作業が苦手とか、不器用ですから~みたいな場合には特に)推奨いたしません。



というわけですが、他方で、ファンシーラットの爪のうち血管や神経が通ってない部分は、「伸びた先の針状になってる部分」という非常に分かりやすい特徴があるため、ペットの爪切りに慣れている人にとってはそれほど難しい作業でないとも言えます。

(筆者は、犬やウサギなどの爪切りも得意なので、ラットさんの爪切りも得意です。ラットさんは他のペットよりも爪切りが簡単だと思います。)


そこで、あえてファンシーラットの爪切りにチャレンジする飼い主さんに、いくつかのコツをお伝えします。


(1)爪のかなり先っぽの「針状(むしろ釣り糸レベルの細さ)」の部分のみを切る。


(2)人間用の爪切りがベスト。犬等のペット用は作りが大雑把すぎ。


(3)ファンシーラットは手足が非常に小さいので、爪ばかりに集中していると、爪切りの別の部分で他の指や手などを切ってしまうことも。爪切りの刃の全体が「何を切ろうとしているのか」を常に気にし続けること!


(4)犬の爪切りとかと違って「思い切りよく切る!」という考え方は絶対ダメ! 重要なコツは下の(5)。


(5)まず、爪切りをゆっくり閉じていって、ピンセットのごとく『ラットさんの爪の切り取る部分』だけをつまんでみること。その際、爪切りの刃の部分に他の指先や手の甲などが挟み込まれていないかをよく確認すること! その後に切断を行う。 ラットさんはとにかく手足が小さくちょっとしたミスが大ダメージにつながる危険があるので、「思い切りよくやりましょ~」的な発想は捨てましょう!


(6)前足は指4本ずつ(指自体は5本ありますが、そのうち爪が生えている指は4本しかないようです)。後足は指5本ずつ。 但し、後足の親指の爪は非常に小さく、短いことが多いので、この指だけ爪切りを行わないという選択肢も十分あり。筆者もこの指はよほどのことがない限り、爪切りをしません。



以上、かなりオドかすようなことばかり書いてみましたが、人慣れしていておとなしめのラットさんなら、それほど難なくできると思います。

推奨はしませんが、ラットさんの鋭い爪対策として1つの有効な方法だと思います。




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